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「トルコは暑いんでしょ?」
2月にトルコに行くと言ったとき、人にそう尋ねられた。なぜか「トルコは暑い国」というイメージで捉えている人が多いみたいだ。
夏は暑いけど、冬は寒いよと答えると、
「えっ、四季があるの?」
とビックリ。日本の春と秋に当たる季節はトルコでは極端に短いけど、それでもちゃんと四季はある。ただし、昨日までタンクトップ1枚で過ごしていたのがいきなり今日からセーターを着る、というような人たちなので、ファッション的には「四季の移ろい」を感じることは少ないかもしれない。
「トルコはタイの近くにあるとか思ってない?」
「そこまで無知じゃないわよ! イラクの近くでしょ!」
はい、そうです。イラクの上にあります。ちなみに、ブルガリアの隣でギリシャの近所で、シリアやイランとも国境をはさんでいて、ロシアも近くて…と説明しだすとほとんどの人は混乱するみたいで、
「だからっ! 砂漠の国なんでしょ!」
と言う。…トルコに砂漠はありまへん。
トルコは中東に位置するという知識はあるようだが、日本人はとにかく中東とかアフリカとかに弱い。中東にある国はすべてサウジアラビアやイラクと同じだと思うみたいだ。
だからトルコは砂漠の国、トルコ人イコールアラブ人、だと思っている人も多くて、みんなベドウィンのような遊牧生活をおくっていると想像するようである。
トルコに家を買ったと言ったときも、
「羊はいるの?」
と訊く人もいた。アラビアには、石油富豪と遊牧民しか住んでいないと思っているのだろうか。
さらに付け加えると、トルコは石油が出ない。ガソリンも日本より高くて、レギュラーが1リッター200円近くする。
また、外国人の目から見ると、日本人と韓国人と中国人の区別が付かないように、日本人には当然トルコ人とアラブ人とクルド人とペルシャ人の違いがわからない。
かつてトルコで絨毯屋に騙されボラれた友人は、その絨毯屋に向かって思いっきり、
「だから、アラブ人は信用ならないんだよ!」
と吐き捨てていた。あんたを騙したのはトルコ人でっせ 。
トルコと言えばやはり絨毯が有名。てなことを言うとまた、
「ああ、知ってるわ。ペルシャ絨毯ね」
…ペルシャはイランですがな。
「えっ、じゃあトルコの絨毯は何?」
「トルコ絨毯だよ」
訊いている相手は、どんどん混乱していく。
「もう一度訊くけど、トルコには何人がいるの?」
「トルコ人。クルド人も多いし、アラブ人やユダヤ人やアルメニア人もいるけど、ほとんどはトルコ人かな」
「…トルコって何語?」
「トルコ語」
「アラビア語じゃないの?」
「コーランはアラビア語で読んでいるけど、それ以外のアラビア語を話せる人は少ないよ」
「…じゃあ、アラブ人って何人?」
いったいどこから説明すればいいのか、まるでドツボにはまった状態になってしまう。世界情勢に詳しい人から見れば、なんでそんな幼稚なことを、と思うかもしれないが、一般にはやはり難しいみたいだ。
それよりも、実際にトルコに行ってみた方が、きっといろんなことがわかって楽しい。旅行してみるだけで、今まで知らなかったことを知るきっかけにもなるし。
でも中には、
「イヤよ! そんな発展途上国に行くのなんて」
と言った人もいた。
街を歩く人はみんな着物でちょんまげ姿。毎日スキヤキかテンプラを食べている。手紙は飛脚が届けてくれる。まさか現代の日本を、そういうふうに捉えている外国人はいるはずがなかろうが。
「ジャパニーズ? オオッ、サムライ、ゲイシャ、ニンジャね」
こっちが日本人だと言うと、時々冗談でそういうことを言う人がいる。
そういう外国人に対しては、めちゃくちゃ怒ったりバカにしたりするくせに、アメリカとヨーロッパと日本以外はすべて発展途上国だと思い込んでいるのって、変じゃないか。なんか世界が狭くてヤだな。
あ、でも。このあいだテレビのクイズ番組で、
「宮城県の県庁所在地は何市にあるでしょう?」
これは人をおちょくっているのかというような質問を出していて、でも、マジに正解できなかったタレントもいた。
自分の国も把握してないんだから、よその国のことまで知るのは無理か。って言うか、べつに知らなくても生きていけるんだよな。
余計なお世話かもしれないが、とりあえずトルコの基礎知識ってことで書いてみた。
ちなみに、トルコの首都はイスタンブールじゃなくてアンカラだよん。
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