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2005年1月4日(火)
2.占いなんてっ!

 年末に細木数子の番組を観たあと、ふと気になって自分が何星人なのか調べてみた。
 土星人の+だそうである。
 特徴は、曲がったことがきらいで、正義感が強く一筋に生きるタイプ。さらに、孤独な世界に住む理想主義者でもあるらしい。
 そして、土星人の+は今年から大殺界に入るとある。
「運気は下降。周囲に対する見方が歪み、判断が誤りがちに…」

 去年一年間を正月気分で過ごした及川である。
 ろくに仕事もせず遊んでばかりの日々。1円の儲けにもならないばかりか、持ち出してまでDVDを作ってみたり、仕事の役には立ちそうもない勉強会を開いてみたり、そんなことばっかりやっていた。
 だって、今まであくせく働いてきたんだからさ。ちょっとくらいの息抜きは必要なのだ。それに、遊びがきっかけでいろんな人にも出会うことができたんだし。

「さて。もう充分に遊んだから、今年からは頑張って働こう!」
 そう思っていた矢先である。
 マラソンのスタート直後、いきなり靴の紐が解けてしまった感じである。このまま何キロ先で転ぶのか、それとも最後まで突っ走れるのか。

 さらには、「周囲に対する見方が歪み…」とある。
 私は自慢じゃないが、人を見る目がない。人の黒い心にまったく気付かない。また、たとえ別の人から教えられても、自分の目で確かめるまでは信じない。だから、いつも怪我をしてしまう。

 相手が誰であってもすぐに受け入れて信じてしまうのが私の悪い癖だと言われたことがあるが、言い換えれば、誰をも信じるということは、実は誰も信じていないのと同じ意味なのだ。
 私の中では「誰々がいちばん」というような、人に対する順位がない。常に私と他人という図式しか存在しない。たとえ肉親であっても恋人であっても、私にとっては他人の一人なのである。
 だからなのか、人はまず疑ってかかれ的な用心深さがない。私以外は他人なんだから、すべて同じように受け入れるという考えなのである。
 もともと人を見る目どころか、直感力や分析力もゆるゆるの私である。そんな人間がさらに人に対する見方が歪んだとしたらどうなるのか? もしかしたら正常な見方ができるようになるのか。はてさて…。

 しかしなぁ。もっと言えば、「去年は最高の年だった」らしいのだ。今振り返ってみて、何がよかったんだろうと考え込んでしまう。

 確かに小さなヒットはあったけど、それは『韓流』モノのカバー曲で、当然ながらすべて買い取り。ましてや、売れて当然というような状況での仕事であったから、詞自体を評価されることもなく、次の仕事につながっていくこともなかった。
 おまけに、アレルギーに苦しんだ一年であった。更年期障害と名称が変わっただけで、相変わらず今も苦しんでいるが。
 まぁその代わり、めちゃくちゃ悪い出来事もなかった。凡庸に慌ただしく過ぎていった一年、という感じだったな。

 ほんとに、今年から運気は下降していくのだろうか…? なーんて不安に駆られつつも、実のところは占いを信じていない及川なのである。
 だって、人間を6つの星人に分けて判断するというのも、考えてみれば無茶な話だよな。星座だと12、血液型だと僅かに4つだよ。そんな大ざっぱなグループ分けで、人の性格や人生がわかるとは到底思えないのさ。

 それよりも、私がある時期から占いと名の付くものを拒否し出したのには理由がある。
 占い師、八卦見、霊能者などと呼ばれて、人の未来を予知する人たちはたいていその物言いに一つのパターンがある。
「あなたはナントカな人なのよ」
「だから、ナニナニしなさい」
 つまり「決めつけ」と「命令」調の言い方である。そして、私が人に言われて最もムカつくのは、この決めつけと命令なのである。

 もちろん、占い師は決めつけと命令口調でなければ相手を信用させることができないというのも理解している。たぶん…とか、かもしれない…なんて言い方をするような占い師は頼りなくて仕方がない。
 だけど、占い師であるなら、こっちの性質をまず見抜いて、どういう言い方をすればいいのか、そこにも気を配るべきなのである。上段から構えて、誰にでも同じように扱えばいいというのは間違いである。
 こっちは金を払ってわざわざ来てやっている、いわば「客」である。客に対して何をえらそうにバカッ!と思った瞬間からそれ以降、何を言われても聞く耳を持たなくなってしまった。

 細木数子の番組は観ていて面白い。彼女はよく当たる占い師というよりは、非常に優秀なカウンセラーでビジネスマンだと思いながら観ているからさ。
 芸能人が槍玉に挙げられ、ぼろくそ言われるのも結構笑える。
 でも、もし自分が相談をしている芸能人だとしたら、たぶんテーブルひっくり返してイスを思いっきり蹴飛ばして出ていくだろうなぁ。
「あんたに命令される覚えはない!」
 ってね。きっと、
「ほぉ ら、そういうところが素直じゃないのよ」
 細木数子に言われるんだろうけどさ。

 そんでもって、いつも不思議に思うんだけど。
 占いって、過去のことは案外当たるのに、どうして未来はいつも当たらないんだろう。人が知りたいのは未来の方なのにさ。




 
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