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2004年11月29日(月)
68.世の中のスピード

 夫にする男の条件を挙げろと言われれば、力持ちで車の運転が上手く、そして電気関係に強い、この三つである。
 さらに、見た目も大事。チビやハゲやデブは絶対にイヤ。不潔なヤツや歯が抜けた男など論外である。
 で、それさえクリアーすれば、あとは経済力も学歴も将来性もどうでもいい。多少性格がひん曲がっていたところで、さほど気にしない。って言うか、どんな男でも私の根性の悪さには敵わないって自信があるからさ。

 逆に、どれだけ見た目が良くても、電球一つ替えられない、パソコンも使えない、というような男はダメである。
 自力でタイヤ交換ができ、縦列駐車も思いのまま。重たい荷物を持って階段を駆け上がる。電化製品もちょっとくらいの故障なら直しちゃう、という男がいいのである。

 なぜかと言えば、私がそれらのことすべて苦手だからだ。
 重い物を持つなんて大嫌い。車はガソリンを入れて走るだけ。ウォッシャー液さえ自分で入れたことなし。そして電気関係、特に最新機器と呼ばれる物に滅法弱い。

 まず説明書を読むのが面倒くさいから、適当に勘でやろうとする。でも、できるわけがないので、途中で投げ出してしまう。そのまま放っぽらかしておいて、どうしても使わなきゃいけなくなったときに、切羽詰まって人を呼んでやってもらうか、使わなきゃいけない部分のページだけを読んで、何とか乗り切ろうとする。
 嬉しがって新製品を買うくせに、結局その機能すべてを使えることもなく、そのうち故障して粗大ゴミに出すだけ。うちにはそんな「最新機器のアンティーク」がたくさんある。

 さらに困ったことに、私を追い越して世の中のスピードがどんどん速くなっている。
 今年買ったばかりで、まだろくに使いこなせていないデジカメだって、すでに新製品じゃなくなっている。

 でも思い出せば、私はワープロとファックス、携帯電話、それに留守番電話は、周りの誰よりも早く持っていた。
 友人がうちに来るたび、留守番電話を珍しがり、ワープロを貸してとねだられた。
 携帯電話なんて、加入料が8万円以上したときに契約したものだ。今の子機よりも大きかった。それをバッグに入れて持ち歩いていたのだから、かさばってしょうがなかった。

 そう言えば、商売柄ウォークマンなんてのも、誰も持っていない頃から持っていたなぁ。
 しかし、それはあくまでカセットテープを聴くウォークマンである。
 CDウォークマンが普及され、MDなんてものができた頃には、すでに時代遅れの人になってしまっていた。今やiPotである。私なんて未だにカセットテープで仕事をしているのに。

 気が付けば、いつのまにか最新機器に対してものすごーい無知で、世の中の流れに取り残された人になっている。

 これじゃあいけないと、今年になってDVDとデジカメ、写真も撮れる携帯電話を買ったのだが、やっぱり使いこなせない。
 パソコンなんてメールとインターネットにしか使っていない。去年、やっと人に教えてもらって、ワードを使って原稿を書き、それを添付ファイルで送るということができるようになった。
 それまではシャープの書院というワープロで原稿を書き、いちいちファックスで送っていたのだ。
 携帯電話に至っては、難しくてもう全然わからない。かかってきた電話を受けるのが精一杯である。

 確かに、新しいことを一つ覚えてしまえば、あとはとても楽ちんである。でも、覚えるまでには苦痛を伴い、さらに時間も人よりかかる。

 現在、仕事部屋にごっちゃに置いてあるコピー機やプリンターやらをすべて捨てて、便利な複合機を買おうと考えている。
 買うまではできる。しかし、そのあとがまたしても大変なのだ。
 私の代わりに梱包を解き、私の代わりに説明書を読み、わかりやすく必要なことだけを伝えてくれる。私が途方に暮れたときには、すぐさま駆けつけてつくれる。
 夫に限らず、友人、マネージャーすべてにそれを期待したい。

 ああそう言えば、あと一つ。好き嫌いが激しいとか、異常にグルメな男も嫌いだ。
 だって、私ってば、料理もあんまり得意じゃないからさ。




 
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