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テレビなどで細木数子を見るたび、
「なんで、たかが占い師がこんなにエラそうなんだ!」
と思って、彼女のことが大嫌いだったのだが、ムカつきながらもテレビを観ているうちに、妙に納得できると言うか、ああこの人は商売がうまいなぁと感じるようになってきた。
占い師というのは、その占いが当たる当たらない以前に、一種のカウンセラー的な存在であるから、ある程度のエラそうな態度や「あたしは客よりも苦労してまっせ」みたいなパフォーマンスも必要なんだろう。
少なくとも、世間知らずで自信なさげな人間に自分の将来を相談しようとは思わないのと同じだ。
相手を決めつける。説教する。むりゃくたでも自分のペースに引っ張り込む。そして、信じさせる。占い師とは、いわゆる「技」を必要とする職業でもある。
その中でも、細木数子はやはりピカイチにうまい。
いつも見ていて思うのだが、彼女はまず相手を全否定するくらいの勢いで、頭ごなしにその人生観や考え方を罵倒する。とにかく悪いこと、悪いことばかりを言い続けるのだ。さらに、
「言わせてもらってもいい? はっきり言うけどね…」
とトドメを刺す。言われた方はたまったもんじゃない。
「あたしって、ほんとにダメな人間なのね…」
そう思い込んだところで、最後にスッと救うのだ。
「あんたはね、とにかく自己中心的。威張ってばっかりいる。今はいいけど、それを続けたら人はみんな離れていくよ。(と罵倒し続ける)はっきり言わせてもらうけどね、…あんた、結婚は無理だね。縁がない。(ここで大抵の人間はガックリくる)…でも、あなたは本当は心がきれいで優しい人。だから、ちょっとその気持ちを他人にも向けてごらん。いい縁が来るよ 」
てな具合である。
言われた人間は、完全に細木マジックにかかってしまっている。
人間の心理とは不思議なもので、今までどんなにボロクソけなされていても、最後に不意を打つようにいいことを言われると、
「先生にお会いしてよかったですぅ」
気持ちが救われ、相手を信頼してしまうのだ。
そして、細木数子の場合、その「飴と鞭」を人によって実に巧みに使い分けている。一瞬にして相手の性質を見抜き、手心を加えたり引いたりしているのがわかる。
たまには鞭で打っても打っても響かない相手がいて、そういうときは怒り出すという方法を用いている。怒ることによって、相手を萎縮させたり聞く耳を持たせようとするのだ。
これは特に若い人に対してが多い。最近の若者はあまり他人に怒られ慣れていないし、もともと日本人はケンカをするのが得意な人種ではないので、とにかくこの場をまるく収めようとする一心で、ほとんどの人間はシュンとなってしまう。
とにかく自分の世界に引っ張り込む。引っ張り込んでしまえば、相手は自ずと身を任せ、何でもかんでもベラベラと喋り出す。あとは、その問題に対して一つ一つ答えを返してやればいいだけだ。
人は相手を信頼しているから本心を喋るのではない。喋ることで徐々に信頼をしていくのだ。
そして、そのときの悩みや不安が解消されれば、実は占いが当たろうがはずれようが関係なかったりするのである。
これは経営コンサルタントや心理カウンセラーも同じことだと言える。経営を勉強した、心理学をかじったという理由でエラそうな御託を並べる人間はたくさんいるが、人の心は学業では救えない。
医者だって同じことだ。流行っている医院に行くと、話が巧みで人の心をつかむのが上手い医者がいる。
また、下手くそな占い師は、この手法を逆にやってしまうことがある。褒めて褒めて、最後にけなす(悪いことを言う)というパターンである。この方法だとどれだけ占いが当たっていようが、相手は信用しないんだなぁ。
細木数子がよく、
「あたしはいっぱい泥水を飲んできたからね」
と言っているが、確かにあの人間観察の鋭さは、だてに泥水を飲んできたわけじゃなかろう。
しかし、目立つババアと言うか、やはり出る杭は時に打たれるのである。
野村沙知代もデヴィ夫人もそうであったが、必ずアンチ派が登場し、それをまたマスコミが面白おかしく煽って、囃し立てるのである。
細木数子もそろそろだなと思ってたら、やっぱり噛みついた人間がいたね。今のところは、ハマコーと和田アキ子か。
私は未だに、和田アキ子という人がなぜあんなに(紅白のトリがとれるほど)芸能界で力を持っているのかもよくわからないのだが、きっと何らかの事情があるのだろう。
しかし、かつて噛みついた側の人間が勝ったという例はない。
「何でぇあのババア、エラそうに!」
「細木数子の占いなんて、全然当たらない!」
と吠えまくってみても、世間の方がよくわかってるね。占いは当たる当たらないじゃない。占い師がエラそうなのも当たり前、ってさ。
ましてや、テレビのこっち側にいる人間としては、そのパフォーマンスがわかりやすくて面白ければそそられる。だから、細木数子の出ている番組は視聴率がいいのだもの。
ま、世間が飽きるまでだろうけど。
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