シャンルウルファから車で30分ほど行ったところにある、三角屋根の家が建ち並ぶ地域。
シリアとの国境がすぐ近くのため、アラブ人が多い。
あまりにもしつくこつきまとわれ、仕方なくガイドに雇った少年もアラブ人だった。
この子は英語を話すのだが、ほとんど聞き取り不可能。
しかし、仕方なく雇ったくせに、その男の子の家に上がり込み、お茶をごちそうになる。さらには、ばあさんに気に入られスカーフを土産にもらった。
このあと、ハランのジャンダルマの駐屯地を訪問。
ジャンダルマとは軍における警察を指していて、通常のポリスは主に市街地を警備しているが、ジャンダルマは市外を管轄している。
軍を取材する場合は、アンカラ(首都)の軍のセンターに行って手配をしなければいけないのだが、及川は何も考えず、一貫して浮わついた気分でいるので、のこのこと駐屯地に入っていった。
で、警備に当たる兵士に銃を突きつけられ、「何の用事だ?」と訊かれる。
「ワタシ、日本の作詞家。兵隊さんスキ。兵隊さんの歌書きたくて、いろいろ話聞きたい。でも日本のアーミー、優秀な部隊は今イラク。イラク、とってもデンジャラス。
だからトルコに来た。ボスに会わせろ」
たぬきがへそで茶を沸かすような嘘をつきまくり、まんまと中に進入。
で、ナンバー2に話を聞くことが出来たが、建物内の施設にはさすがに案内してもらえなかった。(最初、ナンバー2は全部見せてあげると言っていたのだが、話の途中でナンバー1が現れ、こいつがダメだと言った)もちろん写真撮影も禁止。
脳ミソが溶けそうになるくらいに甘いインスタント・コーヒーをごちそうになり、そのあと庭の植木の説明を受ける。
ナンバー2から「私がここに来てから庭の植木を全部植え替えたため、蚊がずいぶんと少なくなった」という自慢を延々と聞かされた。
帰り際、「また来年も来てね」と訳のわからないことを言われる。
「ハランの治安は?」と訊いたら、「とってもいい」と言っていた。おそらく毎日暇をこきまくっているのだろう。
■ハラン〜シャンルウルファ
シャンルウルファに戻る道で、うっかりポリスの車を追い越し。
スピードを出していたわけではなく、前を走るトラックを追い抜こうとしたら、そのトラックの前にポリスの車がいて、ついいっしょに追い抜いてしまったというわけ。
案の定、車を止められる。
そのとき車を運転していたうちのトルコ人は、イラクの武装勢力が頭や顔を覆っているクフィーアと呼ばれる布(トルコでは別の名前。聞いたけど忘れてしまった)を頭に被っており、さらに真っ黒なサングラス。私は私で、日焼け防止のために頭から大きな布をすっぽり被って、目だけを出しているという状態。
それを見たポリス。ぎょっとしたみたいで、思わず「トルコ語は話せる?」
免許書を出せと言われて、ポリスの車に連れて行かれるが、「今コンピュータに君の番号を打ち込んだからね。でも、これは自分の一存でチャラにすることもできる。そのためにはちょっと金が必要なんだけどさ」
つまり、賄賂を差し出せと言うこと。
こういうことは今まで何度もあるので、2千万トルコリラ(1500円くらい)を握らせる。
トルコのポリスは相変わらず腐っている。
以前、車を止められた瞬間に「カチパラ(いくら)?」と訊いてしまったことがある。
そのときは、さすがにポリスも苦笑していたが。でも、金はしっかり取られた。
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