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以前は、仕事が忙しいとずっと家にこもって詞を書き続け、打ち合わせか切羽詰まった用事がある以外は、ほとんど外に出掛けなかった。
「あ、及川さん、家にいたの。忙しいんだねぇ〜」
電話をかけてきた人にも、そう言われる。まだ携帯電話など普及していない頃の話だ。
買い物と言えば日々食べるものくらい。街に出掛けなければ、心を奪われる物もない。よけいな金を遣わずにすんでいた。
いまは、仕事が忙しかろうが暇だろうが、ほとんど家にいる。そして、家にいながらにして、外に出掛けるよりも金を遣ってしまう。
インターネットのせいだ。
本はもうずいぶん前からアマゾンやビーケーワンで買っている。欲しい本を求めて本棚を端から眺め回さなくても、キーワードを入れて検索をかけるだけで関連するものが探し出せる、この便利さ。
加えて、家まで配達してくれる。早いときだと、翌日にはもう届いている。この楽ちんさにすっかり虜になってしまった私は、最近では本やCDだけでなく、あらゆるものをネットで買いまくるようになった。それこそ毎日にように、家に「何か」が届く。
お陰さまで、益々外に出なくなってしまった。
私の友人の中には、「人と会っていないと不安になる」人や「ちょっとでも時間があると、いろんなところに出掛ける」という人がいる。どんなに暑くても、またどんなに仕事が忙しくても、出掛けることが苦にならない人たち。
私は、歩いて2分のコンビニに行くのさえうざったがる人間なので、そういう活動的な人たちを羨ましいと思う反面、いつも何かに追い立てられているようなその雰囲気に鼻白むことも時々。
とりあえずどこかに出掛けるだけで、見聞は広がる。できれば家のソファーで一生を終えたいとさえ思っている私は、本を読んで見聞を広げるだけ。
なので、どこにも行ってなくても、まるで「見てきたように話せる」ぞ。
2007年9月に読んだ本
1. 不肖・宮嶋のビビリアン・ナイト上〜」爆弾ボコボコの巻/宮嶋茂樹
2. 不肖・宮嶋のビビリアン・ナイト下〜」砲弾ドカドカの巻/宮嶋茂樹
3. 在日の地図〜」大韓棄民国物語/山野車輪
4. 世界は腹黒い〜」異見自在/高山正之
5. ぼくもいくさに征くのだけれど〜」竹内浩三の詩と死/稲泉連
6. かづきれいこのメイクでここまで若くなる!/かづきれいこ
9月は詞の書きと、熊野ランドマークソングプロジェクトのホームページ用の文章の書き、さらに、それに関する雑用。そしてレコーディングと、バタバタだった。おまけに、風邪をひいて体調ボロボロ。
とても本を読んでいられるような気分ではない。あれもやんなきゃこれもやんなきゃで、日々があっと言う間に過ぎてゆく。
歳をとると、ほんとに一年の経つのが早い。もう10月だよ。
で、2007年10月に読んだ本。
1.ロシア闇の戦争〜」プーチンの秘密警察の恐るべきテロ工作を暴く/アレクサンドル・リトヴィネンコ
2.機長からアナウンス/内田幹樹
3.官邸崩壊〜」安倍政権迷走の一年/上杉隆
4.日本人が知らない世界の歩き方/曽野綾子
5.機長からアナウンス2/内田幹樹
6.ついていったら、こうなった〜」キャッチセールス潜入ルポ/多田文明
7.東京アンダーグラウンドパーティー/下関マグロ
8.もうひとつの季節/保坂和志
9.王様は裸だと言った子供はその後どうなったか/森達也
10.殺人現場を歩く/蜂巣敦
11.殺人現場を歩く2〜」Undercurrent/蜂巣敦
12.客室乗務員は見た/伊集院憲弘
13.怪魚ウモッカ格闘記〜」インドへの道/高野秀行
14.神の棄てた裸体〜」イスラームの夜を歩く/石井光太
15.熟女の友/岩井志麻子
16.美男の国へ/岩井志麻子
17.オオシマさんちのもうひとつの猫日記/大島弓子
18.中国の危ない食品〜」中国食品安全現状調査/周京力
19.謝々!チャイニーズ/星野博美
20.ヴィリ/山岸涼子
21.悪と不純の楽しさ/曽野綾子
22.戦争を知っていてよかった/曽野綾子
23.刺繍〜」イラン女性が語る恋愛と結婚/マルジャン・サトラピ
24.汐留川/杉山隆男
25.日本人の品格/渡部昇一
26.アンジェラの祈り/フランク・マコート
先日パーティーでお会いした多田文明、蜂巣敦、下関マグロ各氏の著書を購読。このテの本を読むと、私にはルポものは絶対に書けないなぁとつくづく思ってしまう。
自分には絶対に書けない。だから、わざわざ本を買って読む。高野秀行『海魚ウモッカ格闘記』や石井光太『神の棄てた裸体』、星野博美『謝々チャイニーズ!』などもそう。彼らの体験には金を払う価値がある、という理由でこの3冊は面白かった。
保坂和志『もうひとつの季節』は、登場人物のモデルが友人であるために読んでみた。正直なところ、私には純文学の面白さがまったく理解できない。だから、岩井志麻子なども、彼女が書いたエッセイは読むが小説は読まない。
私は基本的に「体を張ってナンボ」の読み物が好きだ。それはやはり、自分では体験できないものにこそ金を出したい、という価値観があるからだろうと思う。
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