及川眠子 Diary日記風エッセイ「ムカつく私がバカなのか、それとも世間が悪いのか」
 
<< 前のページ  |  次のページ >>
2007年5月3日(木)
■ 25.読書ノート 4月

 ヤバい…。マジでヤバい。
 おそらくあと半年くらいで、本棚がいっぱいになってしまう。

 10年くらい前に、仕事部屋をリフォームした。作りつけの机と本棚、それにCD棚を作ってもらったのだが、そのときの設計士は「音楽業界の人間だから、今後もCDは増え続けていく」と思ったのだろう。壁一面をCD棚にしてくれたのはいいけれど、本を置くスペースをあまり考慮に入れていなかったみたいだ。
  CDはあと1000枚以上増えても大丈夫。だけど、CDより嵩張る本はもう仕事部屋のどこにも置くスペースがない。仕方なく寝室に本棚を買って入れたのだが、それももういっぱいである。
  実家の本棚と物置にも、私が上京するまでに買った本と、上京してから送りつけた本がいっぱいになっていて、こっちもどうにかしなきゃという状態。

 いっそ仕事部屋として、どこかにアパートでも借りるか。しかし、ろくに仕事をしていないくせに、そんな無駄なことをしていいのか。
「とりあえず貸倉庫を借りればいいじゃん」
  友人にはそう言われたけど、その意見に妙に納得できない自分がいる。なるべくなら自分の手元に本を置いておきたい。
  そんなモヤモヤをここ何ヶ月か抱えたままでいる。
  いっそ引っ越すか…。どうにもならないと、思い付くのはいつも同じ。「リセット」。
  でも、4LDKいっぱいいっぱいに置かれた私の荷物。これを別の場所に移動する、と思うだけで気が滅入る。

 友人の家に遊びに行ったり、インテリア雑誌などで他人の家の紹介などを見るたびに、
「いいなぁ、壁がたくさんあって…」
  豪華な調度品でもなく、センスのいいインテリアでもなく、家具類が何も置かれていない「壁」を羨んでしまう及川である。
  さて、どうしたもんか…。

 2007年4月に読んだ本。
1.アジアロード/小林紀晴
2.サイバラ茸 6/西原理恵子
3.そのひとクチがブタのもと/ブライアン・ワンシンク
4.ジプシーの幌馬車/ザハリア・スタンク
5.立ったまま埋めてくれ〜ジプシーの旅と暮らし/イザベル・フォンセーカ
6.愛は死ぬ/永沢光雄
7.ジプシー・ミュージックの真実〜ロマ・フィールド・レポート/関口義人
8.「愛」という言葉を口にできなかった二人のために/沢木耕太郎
9.プライド 7/一条ゆかり
10.トルコ旅と暮らしと音楽と/細川直子
11.チーズスイートホーム/こなみかなた
12.海街diary-蝉時雨のやむ頃/吉田秋実
13.できるかなクアトロ/西原理恵子

 もう本棚を置ける壁がない、という理由ではないが、今月読んだ本は以上。いつもの月に比べて少なめである。しかも計13册のうち、5册が漫画。

 私は基本的に「日本にいるとき」にしか本を読まない。日本にいても、どこかを旅行中だったりするときには、そのページをめくることはほとんどない。本を読むのはいつも、自分の仕事部屋か寝室のみ。電車やバスの中、喫茶店で読んだりすることもないのである。
  本当に本が好きな人は、片時も惜しむかのように、いつでもどこででも活字を追っている。
「旅に出るときは、いつもミステリーを持っていく」みたいなことを言う作家も多いが、旅行中まで本を読む必要なんてないじゃん、というのが私の意見。ホテルの部屋にこもってしみしみと読書に勤しむより、観光したりショッピングしたりで時を過ごす方が楽しい。そのための旅行だしね。

 で、今回の冊数が少ないのは、どこかに出掛けていたからではなく、今月はやたら飲み会・食事会が多かったせいなのだ。酒飲んで酔っぱらって帰ってきて、そのあとに本を読むなんていう気力は残ってまへ〜ん。
  私にとって本とは「自分の無知を少しでも補うもの」。つまりは学習の一環であって、所詮飲む・食う・遊ぶに敵うものではない。

 5月中に読んだもので面白かったのは、『「愛」という言葉を口にできなかった二人のために』であるが、これに関しては次回のDairyで詳しく書く。
  とにかく沢木耕太郎は文章がうまい。この本は雑誌で連載していた映画のコラムをまとめたものであるが、その映画の内容説明をしながら、それだけに留まらないのはさすが。このうまさには、ほとんど嫉妬に近いものを感じる。
  私がもし沢木耕太郎くらい文章がうまければ、仕事の活動の幅がもっと広がっただろう。単純に、及川の努力が足りないというのもあるが、何の苦もなく美しい文章を書ける人もいる(逆に、学歴や本人の知性とは関係なく、恐ろしく文章が下手な人もいるが)。羨ましいことだ。

 あと、5月はジプシー関係の本も3冊ほどまとめて読んだ。
  私はジプシーに関しては、彼らの音楽(ジプシー・ミュージックというジャンルはすでに確立されており、ここ最近、世界中でも注目される兆しにある)よりも「差別され続ける民族」として興味を持っているのだが、『ジプシー・ミュージックの真実』は極めて重厚なフィールド・レポートであった。
  なぜゆえ彼らが音楽というジャンルに特別な才能を得たのか。ジプシーの歴史や生活、各国でのその存在の有り様を丹念にルポしながら、彼らが紡ぎだす音楽について書かれた本である。
  ジプシー関連の本はあまり多く出版されていないが、その中でも『ジプシー・ミュージックの真実』は非常に優れた1册。

 さて、5月は半分くらいが「旅行中」の及川である。おまけに、めちゃくちゃ忙しい。
  読みたい本をとりあえずバッグの中に入れて出掛けるが、旅先ではほとんど読むことはないんだろうなぁと予想している。

<< 前のページ  |  次のページ >>
  最新情報 メール 及川眠子公式サイトHOME