及川眠子 Diary日記風エッセイ「ムカつく私がバカなのか、それとも世間が悪いのか」
 
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2007年4月20日(金)
■ 23.何年ぶりかで

 いやぁ、月日の経つのはあっちゅー間で。いつのまにか及川も40代後半。立派なオバさんである。

 先日のDairyで、かつてリクルート関連の会社に勤務していたことを書いた。で、その頃の同僚たちとの同窓会に呼ばれた、ということも。
  私はそこを退社してからは、もとの同僚たちとはほとんど交流がなかったので、23年ぶりの再会である。勤めた期間は約1年。いま会っても、果たして顔と名前を覚えているんだろうか…。そんな不安を抱きながらも、妙な好奇心につられて同窓会に参加した。

 会場は赤坂見附の中華料理店。場所を確認するため、インターネットで調べてみれば、「予算は3〜4000円くらい。値段が安い分、味には期待しない方がいい」というようなことが書かれてある。
  同窓会に集まるのは、40代と50代が中心だという。しかも、今回は女性のみ、30人ほどの参加。
  世の中の40代、50代の女性というと、いまいちばん暇と金がある世代である。ましてや、何年ぶりかの再会。遠方から来る人たちもいるらしい。楽しいひととき、美味しいものが食べられるのなら、たかがメシ代をケチったりしないのが普通である。

 当時仲が良く、いまは広島に嫁いでいる友人に連絡をしたら、彼女もわざわざ広島から飛行機に乗って来ると言う。
「ねぇ、会費は1万円くらいって考えておけばいいかな?」
「メールには書いてないけど、たぶんそんなにしないよ」
「だって赤坂見附だし…。主人は8000円くらいじゃないかって言うんだけど…」
「インターネットで調べたんだけどさ。たぶん4000円もしないはず。値段は安いけど、美味しくないよって書いてた」
「うそぉ〜。せっかく東京に行くから、美味しいものが食べられると思ってたのにぃ」

 いまどき青山辺りのしゃれたイタリアン・レストランでも、5〜6000円くらいの会費で立派なパーティーができる。なぜそうしないのか。未だに「
若かりし頃のノリ」を引きずっているのか、及川は不満であった。
  さらに、二次会のお知らせも来て、なんと居酒屋の土間土間。会費はお一人さま2時間で2100円。その話もしたら、
「うっそぉ〜!」
  友人はかなりショックのようであった。
  残り少ない人生。一食一食が大事である。さらに、滅多に行けない東京に交通費とホテル代を使ってまで来て、不味いものを食わされたんじゃ、なんか情けなくなってしまうだろう。

 で、その中華料理店は、飲み放題で2500円。残念ながら、値段相応の味であった。
  しかし、なぜこの会場を選んだのか、あとあと納得。
  そこの中華料理店は個室になっていて、隣の声が丸聞こえな分、こちらの騒音に対しても寛容。つまり、ものすごーく騒がしいグループを押し込めておくには、好都合の会場なのである。居酒屋の土間土間もしかり。
  おばちゃんたちは、とにかく声がデカく、たくさん喋りたくさん笑い、うるさいことこの上ない。また、人の話をまったく聞かず、トイレも近い。30人近い集団が、しゃれたレストランなぞで集まろうものなら、迷惑になるのみ。
  結果的に、幹事の選択は正しかったわけである。

 私は「同窓会」と名が付くものに、生まれて初めて参加したのだが、四半世紀近く経っても、人ってあんまり変わらないんだなーと、久しぶりに会う人たちを目にして感じた。
  いまどきのおばちゃんは若いし、身なりにも気を配って綺麗にしているので、再会時にありがちな「おおっ!あんたも老けたなぁ」みたいな、寂しいような悲しいような気持ちにも至らなかった。
  って言うか、女って動物は、やっぱりせつなさを感じさせないのである。

 中には、ちゃんと顔も名前も覚えている人もいたし、見覚えがあるんだけど名前が出てこない人。または、向こうはよく覚えてくれているのに、こちらはさっぱり、記憶の断片にも残っていない人とか。いろんな人たちがいて、みんなそれぞれの人生を歩んでいて、おそらくこういう機会がなければ、もう一生会うこともなかった人たちがほとんどだろう。
  だから、こういう機会を作ってもらったことには、幹事をやってくれた人に感謝している。

 しかし、驚いたのは、参加者のほぼ全員(産休中の女性1人を除けば)が、何らかの仕事を持っているということであった。3分の2以上が既婚者であるにも関わらず、専業主婦になった者は、なんと一人もいないのである。
  リクルートで働いていたような人たちだから、いくつになっても仕事をしているのか。おばちゃんでも仕事をするのが当たり前の時代なのか。それとも、たまたまなのか。
  また、ずっと仕事をしていられるような人たちは、ずっと元気で若々しく、そしてただひたすらにやかましい。
  昔に比べれば、確かにシワも増えたし、体の線にもキレはない。だけど、大した変化はないまま、ただおばちゃんになったというだけ。美人はあいかわらず美人だったし、地味だった人がめちゃくちゃ派手になってたなんてこともなかった。
  久々の再会にも、べつに涙を流すわけでなく、実にじょうずに時間を巻き戻し、飲んで食って喋りまくって。そして、いともあっさりと自分たちの場所へ帰って行く。
  女とは、そういうもんだと実感した。

 その同窓会があった2週間くらい前に、やはり20年ぶりで友人(こちらは男性)と再会したのだが…。
  駅の改札で待っていたら、向こうから「やぁ!」と声をかけられ、なのに知らない人だと思い無視した私。
  40歳をとうに過ぎれば髪は薄くなり、腹はぽっこりと膨れ、顔は中年そのものになり…。かつては可愛かった青年は、その面影をなくすほどに、見事にオヤジになっていく。
  だから、男はせつないのである。

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