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サトエリ(佐藤江梨子)の体が欲しい、と前回のDairyに書いた私であるが、じゃあサトエリになりたいのかと問われれば、その答えはノーである。私は私のまま、体だけがサトエリのようになりたいのだ。
容姿や知力や人間性が優れている人を見るたび、羨むことも嫉妬することも多々あるけど、私は一度として「その人になりたい」と思ったことはない。だけど、自分に自信があるんだと言われれば、それも違う。
私はただ単純に自分のことが好きなだけなんだな。でも、こんなに愛しくて大切な自分なのに、持っているものは悲しいかな、明らかに人より劣った容姿に足りない知力。何とかしてやりたい、という気持ちでいっぱいなのである。何ともできないが。
「もしも生まれ変われたら、何になりたい?」
よくある質問である。私自身もインタビューなどで問いかけられることが多い。で、私の答えはいつも同じ。
「もう一度自分をやりたい」
何が「自分」を表すのかと言うと、経験値や理念、価値観、美意識を含めた物の考え方である。物事をどう捉えどう行動していくか、そこに「自分」がある。私はその部分で自分が好きであり、その気持ちは揺るぎないのだ。
だけど…。できればサトエリの体と竹内結子の顔で、人生をやり直せれば。そう願うのはダメかなぁ。なんか、見てくれがもう少し良ければ、人生が楽にいきそうな気もするし。
「眠子さんは経済力もあるし、社会的にも認められているから…」
私に対してそういうことを言う人は、とても多い。でも言われるたびに、彼ら彼女らの意図するところが理解できなくて、つい黙りこんでしまう。
彼らは「あなたみたいになりたい」と思っているのか。それとも「あなたはそういったいい位置にいるわけだから、下の者には優しくしろよ」てなことを言いたいのか。あるいは、「私はそうじゃないから仕方がない」という言い訳にしかすぎないのか。もしくはもっと単純に、私をおだててくれているだけなのだろうか。
私は、自分より稼いでいたり有名だったりする人を目の前にして、一度たりとも相手を羨んだり妬んだりする言葉を吐いたことがないので、そういったことを何の抵抗もなく言える人間が、心の底から理解できない。
もし私をおだてているだけならば、私はそんな言われ方は大嫌いなので、即刻やめてほしい。そう願うだけだ。
テレビに出ているセレブを見て、
「おっ。いいなぁ…」
つい思うことはあっても、現実的に目の前にいる、自分の知っている人間に対しては言わない。また、それが私のプライドでもある。
見栄や誇りは大事。何の腹の足しにもならなくても、見栄と誇りを自分の中で守り抜く限り、人間性が崩れることはまずない。また、見栄と誇りをどう持つかが、自分を好きでいられることにもつながっていくと思えるのだ。
「たとえば、人に何かを借りて。それが金でも物でも義理でも何でもいいや、とにかく借りを必死になって返そうとする。そんな人間は必ず大成するし、信頼できる」
私の友人が言った言葉である。
見栄も誇りも持たない人間とはビジネスができない、という話をしていたときに出た言葉なのだが、まぁそういうこと自体も理解できない人が多くて、それは男女の区別なく仕事には向いてないなぁ。
だけど、そんなふうにキッパリ切り捨てるような言い方をすると、ものすごーく冷たい人に思われるようで、「あなたは人の痛みがわからない」みたいなことを言ってくれちゃう人もいる。わからないよ、努力もしない人間の心の痛みなんて。
「眠子さんは経済力もあるし、社会的にも認められているから…」
そんなことを言った時点で、決して今の自分に満足していないことがバレバレなんだから、だったら努力しなきゃー。
私はよく夫の甥や姪に、
「貧乏な家に生まれた子が偉くなるための方法は一つだけ。勉強しろ!」
同じことをくりかえす。ちゃんと勉強していい成績を取れば、欲しい物も買ってあげるけど、成績が落ちた時点でそれらを取り上げる。だから、子供は必死になって頑張るのだ。
しかし、子供にはそんなふうに努力の価値を教えていけるけど、大人になると誰も何も導いてくれなくなるのがほとんど。怠けようと思えば、いくらでも怠けられるのだ。現に私も、地球の引力に対して怠けてしまったせいで、しっかりオバハン体型となってしまった。
だから結局は、自分を好きでいるために知恵をめぐらす。現実問題として、自分は自分以外のものになれないのだから、努力を続けていくしかないのだ。
顔を変えるのは、整形という方法がある。最新の医療技術があれば、完璧なスタイルだって手に入れられることができる。要するに、見てくれは金で何とでもなる。でも、「自分自身」という中身は、他人が変えてあげられない。
みんな自分を生きるしかないのだ。
私は、人に向かって「あなたはいいわね」と絶対に言わない、そんな見栄と誇りの持ち主が好きである。
「あなたになりたい」…なんて言うヤツは論外だ。
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