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「世の中には、お金では買えないものがあるなんて、本当のお金持ちにしかわからないのよねぇ」
そう言ったのは確かユーミン(松任谷由実)だったと記憶しているが、間違っていたらすまん。
だけど、名言だと思った。少なくともバブルな夢にうなされていた時代には。金では買えないものがあるなんて、稼げない人間の言い訳にしか過ぎなかったし。
しかし、現在は格差社会とか階級社会とか呼ばれる時代で、金と引き換えにできないものの方にみんな価値を見出そうとしている。って言うか、金で買えないものがあることが、もう当たり前のような気分になっちゃってんだなぁ。
このあいだ、「1ヶ月10万円あれば暮らせる」という人に出会った。
ううっ、スゴイなぁ・・・。及川なんて、最低でも月200万円稼がないと生きてゆけなくなる。まぁ、会社を経営しているってことが原因しているんだけど。それでも10万円なんて、私の1ヶ月の衣服代にも足りない。
贅沢しているつもりは全然ない。たとえば洋服を買ったり、人と外食したり、旅行に行ったりするのも、私は「仕事のうち」だと考えているから。人から見れば贅沢に映っても、私には本やCDを買ったり、コピー用紙を注文したりすることと同じ感覚にあるのだ。
だってさー。Tシャツにジーンズ姿の、ものを知らない、ただの不細工なおばさんに誰が仕事を頼みたくなるよ。
私は、容姿や存在感を含めた自分というものの値打ちの低さを認識している。だから、上げ底になるくらいに自分を高く見せなきゃいけないと考えて、そのためにかかる金を惜しまない。自分という存在だけで勝負できるほど、私は大した人間ではないということを充分すぎるほどわかっているから。そして、それが「及川眠子という看板を守っていく」ことだとも思っているのだ。
そういうことを含めて考えると、やっぱり月200万円は必要。私が私として生きるためには、それくらいの金はかかる。
でも、世間一般に「生きてゆける」ってどういうことなんだろうなぁ。家賃払って、保険代とか光熱費とか払って、ごはんを食べて、それでギリギリの暮らし。そういうのを「生きるための日々」と呼ぶのだろうか。
私も一時期そんな日々をおくったことがあったけど、でもそれは「作詞家になる」という前提での貧乏暮らしだった。いつか金持ちになってやるぅー、という気概があったからこそ耐えられたんだとも思う。
未だに金持ちにはなれていないけど、それでもたまには人にご馳走したりできるくらいにはなれた。仕事のうちだと言いながらも、流行の服を買い、読みたい本をためらいもなく買うことが許される程度の余裕もある。
でも、現状に満足しているわけではないし、私の中には上昇志向もまだ残っている。もっと売れてもっと稼いで、「お金なんてもう要らない」と言ってみたい。
人は息をしているだけでは、生きているとは言わないしな。
ところで、話は変わるが・・・。
最近、格差(階級)社会について興味が湧き、そのテの本を読むことが増えた。日本の状況について書かれたものも読んだ。
【(略)消費にも変化が現れている。100円ショップが急成長する一方で、高級ブランドショップも多くの客を集めている。これに対して、「中流」の人々に支えられててきたダイエーや西友などの大手スーパーは凋落が著しい。自動車の売れ筋は、低価格の軽自動車と高級車とに二極分化傾向をみせている。マンションをみても、一般サラリーマン向け物件の売れ筋が4000万円台から3000万円台へと移る一方で、都心に位置する1億円以上の高額物件の売れ行きが伸びている(略)】
※橋本健二『階級社会〜現代日本の格差を問う』より引用
このあいだこの本を読んだあと、財布を買おうといろんな店をまわっているときに、フト気付いた。
ちなみに、私が欲しい財布というのは条件が決まっていて、今使っているものもそうなのだが、黒の革で長財布(札を二つ折りしなくていいもの)。札入れは3カ所以上、カードを入れるところが10個以上あるというもの。
カード類がやたら多く、領収証を入れるので札入れの少ないものや、小銭が出し入れしづらいものはダメである。また、革じゃないものは固くて使いにくい。ブランドにはまったくこだわらない。使いやすさ重視なのである。
いつもそういうものを求めて、多少の妥協を許せば、たいていは何軒目かの店で気に入ったものが見つかる。有名ブランドものでなければ、2万円までで買えることが多い。
ルイ・ヴィトンやシャネルの財布が使いやすければそれを買うだろうが、残念ながら私の条件に合うようなものはほとんどない。
しかし、世の中にはそういった有名ブランド品に価値を見出し、ブランド品しか持たないという人もいる。高級ブランドショップが多くの客を集める一つの理由であろう。
でもな。特に若いお嬢さんたち。ヴィトンやシャネルの財布を持っているのだけど、中身にはせいぜい5000円くらいしか入っていないのって何なんだろう。カード入れには、ビデオショップの会員証やドラッグストアのポイントカード、病院の診察券などが入っている。クレジットカードを持っていない人だって結構いるみたいだ。
ヴィトンの財布に小銭だけ。シャネルのポーチには、マツモトキヨシや100円ショップで買ったコスメグッズ。なんかねぇ・・・。なんかバランスが悪くないか? 上等の毛皮を着て、電車に乗っているお姉さま方にも同じことが言えるけど。
私は、これを「格差社会の摩訶不思議」だと感じている。
それとも、財布に入れたキャッシュカード。銀行には唸るほどの金が入っているのだろうか。 |