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2005年8月18日(木)
64.永田町劇場

 小泉純一郎という人はその力量ややり方はともかく、政治を面白くしたオッサンであることは確かだ。また「首相として」は、田中角栄と同じくらいにみんながその名を知っている。
 街角で新成人に訊きました。現在の総理大臣は誰でしょう?
「ええっと…、誰だっけ? ミヤザワさん?」
 小渕さんや森さんのときにはそう答えていた女子大生も、今はためらいなく小泉さんの名前を言えると思う。

 そんな以前の何十倍も面白くなった政治が、最近はよりヒートアップして益々目が離せない。朝起きてニュースを見るのが楽しみである。
 郵政民営化法案が否決され、「解散!退陣!」とひじょーにわかりやすくダダをこねてしまった瞬間から、永田町は国立劇場に負けないくらいの舞台になっている。
「政策云々なんてどうでもいい主婦やギャルにとっては、小泉みたいなハッキリとした男がかっこいいんだろうな」
 友人がそう言ったけど、そりゃそうでしょう。政治家の手腕や政策なんてなかなかシロート(私を含めて)には理解できない。そんなことより、今の政界で最も「首相らしい」のは小泉純一郎だってこと。

 だいたいほかに誰がいるよ?ってな疑問が、やっぱり「小泉さんかなー」という結論に結ばせるのだ。実際解散以降支持率も上昇しているし。
 綿貫じいさんは見てくれ悪いし、亀井静香はウザい。じゃあ民主党、となれば党首の岡田克也は頼りない。まぁ年金がきちんと支払われていましたという理由で党首になった人だから、それも仕方がないかもしれないが。
 阿部晋三は若すぎて不安。麻生太郎は人相が悪い。河野洋平に至ってはもっと悪相で、斬られ役専門の大部屋俳優のよう。田中真紀子は人気はあるが、人にケチを付けることだけがお上手で、彼女自身の政治信念みたいなものは何も見えてこない。福島瑞穂は人権派のうるさいおばさんにすぎない。
 ほらね。ほかに誰がいるよ?

 それに気付いてか気付いてないのか、解散以降小泉純一郎は益々その「役者ぶり」に拍車がかかっている。例の(総理官邸前で待ち受ける記者たちに向かって)「よっ!」と手を挙げる仕草も嫌味なほどさわやかである。ああいう自信ありげなパフォーマンスって、やっぱり主婦にウケるしね。
 しかしそうは言いつつ、次々と出てくる「刺客」たちにおいおいと思っている人たちも多いだろう。

 女性議員を増やす? マドンナ候補? ふっるぅーい! 15年前の社会党と同じじゃないか。
「女性の力をもっと政治に」なんて言うこと自体が時代錯誤である。今や優秀な人間には男も女もない。女性議員が少ないのは、政治に向いている女が少ないからにすぎない。それをあえて「女性議員を」と言ってしまうのは、明らかに主婦やギャルへの媚びである。

 おまけに、有名人? 有名人に出馬依頼するのは勝手だけれど、人選にセンスなさすぎ。
 まず、財務省の片山さつき。才色兼備のふれこみだが、あの聖子ちゃんカットに異常なまでの女特有のドロドロ感が透けて見える。きっとこいつは部下を感情で振り回すに違いないと思ってしまう。主婦は間違いなくあのテの女が嫌いである。彼女と比べれば、高市早苗や野田聖子のなんと清らかなこと。
 カリスマ主婦・藤野真紀子は夫が議員だし、「料理も政治も同じようなもの」だから出馬要請を受けて立ったらしいが、ほんとに料理と政治は同じなのか?
 自殺した永田議員の妻も含めて、議員の妻だから政治ができるというなら、司葉子だって水野真紀だってできるぞ。おおっ、高見恭子もできるじゃん。
 橋本聖子は参議院から衆議院議員に鞍替えなのか? 参議院で存在感のなかった人間が、衆議院で何かが変わるのだろうか。

 それにしても、自民党はほんとにスポーツ選手が好きだなぁ。橋本聖子に大仁田厚、馳浩、松浪健四郎、荻原健司、小野清子…。以前、神取忍も自民党から立候補したし。
「政治のことは何もわからないけど…、とにかく…、オーッ!」
 という選挙演説にはかなり笑わせてもらったけど。
 柔道の谷亮子もヤクルトの古田敦也もサッカーの三浦カズも、現役を引退した瞬間に必ずや自民党がオファーに行くだろう。星野仙一あたりにはすでに行ってるかもしれない。
 あと、田中真紀子の対抗馬として出馬する、東大卒の超エリート医師。主婦狙いのイケメンをという戦略であるが、あれがイケメンかぁ? 自民党の美意識に戸惑うばかりである。ヨン様はじめ韓流タレントですっかり目が肥えた奥様方には、あの程度のイケメンじゃ心はぐらっと来ないだろう。

 そして、そして…。
 ああ、やっぱりまた名前が出てきてしまったね、ホリエモン。
 本人も出馬にノリノリで、どうせ出るのなら目立つ場所でやりたいらしいのだが、ここまで来ればちょっと悪ふざけがすぎるだろう。真面目で善良な国民たちは怒っちゃうよ。
 彼を亀井静香の対抗馬に当てるという動きもあるようで、それを聞いた瞬間、私は思わず住民票を移動して亀井に一票を投じたくなった。
 ホリエモンは政治に向かないからなどの理由ではない。政治に向いていない政治家なんてたくさんいる。
 出馬さえ自社の宣伝の一環(自民党に金を出してもらって、と言うか国民の税金を使って)と考えているそのあさましさが見え見えだからだ。彼はきっと落選してもヘコんだりしないだろう。そういう余裕がかえって下品に感じる。
 それよりもういいよ、ホリエモン。

 野党が強くなると政治が面白くなるという理由で、私はここ何年かはずっと民主党に投票してきたが、今や民主党が強かろうが弱かろうが小泉くん一人で充分面白い。
 また、民主党に対しては、前回の参議院選で喜納昌吉を擁立したことですでに見限っている。「平和」と「沖縄」しか言えないヤツを、政治の舞台に立たせちゃいかんだろう。
 なので、じゃあ今回はどこに投票、となると迷うばかりである。

 とりあえずあと何日かはこの調子で大ウケしたり怒りまくったり、楽しい日々を過ごさせてもらえそうだ。もうやけくそ状態で、どんどんマヌケな有名人を登場させていただきたい。
 おっ、夕方のニュースが始まる時間だ。




 
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