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読書が趣味、という人がいる。また、読書を仕事とする人もいる。
以前、雑誌などで本の紹介文を書いている知人の本を見たことがある。ふせんがいっぱい貼っており、ページに書き込みもされていたりして、
「おおっ、読み込んでるぅ!」
といった感じであった。
私は特に読書が趣味でなく、ただ資料として読んでいるだけ。しかし、仕事のためと言いながら、ほとんど仕事に生かせたことはない。だいたい愛だの恋だのの歌を書きながら、読んでいる本は戦争や犯罪のことばかり。だから、生かしたくても生かしようがないってことも言える。
おまけに、その知人のように「読み込む」ことをしないから、読み終えた瞬間にすべてを忘れてしまっている。
また、私は子どもの頃、読書感想文を書くのがものすごく苦手だった。大人になって好きになったかと言うと決してそうではないので、よっぽど断り切れない相手でない限り、書評や解説の仕事もしたくないと思う。
音楽の仕事では、資料や企画書はナナメ読み、CDは飛ばし聴き。なのに大事なことはしっかりと頭に入って、それらを要約した詞は書けるくせに、本の内容を短い文章でまとめたり感想を書いたりするのは、どうにもできそうにない。って言うか、面倒くさい。
ただ時間潰しのために、ひたすら本を読んでいるのが楽しい。
本を読むこと自体は好きである。いや、正直言えば、読むより買うのが好きなのだ。
私はかつて買い物依存症だった。今ももちろん買い物は大好きなのだが、経済力が下降気味の今日この頃、さすがに無茶な買い物はしなくなった。まぁもともと小心者で用心深い性質だから、銀行口座の残高に釣り合った買い物しかしないのだが。
しかし、時に無性に「何かを買いたくなる」という衝動に駆られる。そんなとき洋服屋に入ってしまえば、べつに欲しくもない洋服を買い、間違いなくあとで自己嫌悪に陥るのが目に見えている。
だから、そんなときには本屋に入る。
いくら本が高くなったとは言え、たかだか本である。豪華本やプレミアの付いた古本を買わない限り、どんなにたくさん買っても金額は知れている。
つい先日も、夜中に突然「何か買いたい病」に襲われ、ビーケーワン(私はアマゾンよりもビーケーワンの方が好き)で「とにかく目に付いた本」を手当たり次第買いまくった。合計で24694円であった。スカート一枚の値段である。なぁーんだって感じ。
それに、本は資料費として全額経費で落ちる。本をたくさん買ってしまってもあまり後悔に至らないのは、そういう理由も含まれている。
だけどそんなことばかりしてるから、当然
買うスピードに読むスピードが追いつかず、今や読んでいない本が積み上げ状態になっている。まだ読んでいない本のための本棚を買わなきゃいけないくらいである。
私は決して読むのが遅いわけではないのだが、集中力が短時間しかもたず休み休み読むために、なかなか前に進まない。
ジャーナリストの日垣隆氏は「イタリアまでの飛行機の中で8冊読む」「朝起きて、コーヒーを飲みながら2冊読む」らしい。すっげぇー。
私は飛行機の中では、普段滅多に読まないミステリーやエッセイなど軽いもの中心読んでいる。それでもトルコまでの飛行時間12時間で、桐野夏生『柔らかな頬』文庫上下巻を読み切れなかった。ちょっと読んでは休み、また読んでは眠り、みたいな感じで読み進めるせいである。
あ、ちなみに、及川の飛行機用御用達作家は、最近は清水義範と酒井順子である。その前はナンシー関と群ようこであった。
小説は基本的に読まない。特に純文学は全然読まない。好きとか嫌いとかじゃなく、他人の妄想に金を払う気にはならないのだ。たまにストーリィーものを読みたくなったときは、船戸与一とか山崎豊子、吉村昭などを読む。
私が普段読むのはほとんどノンフィクションで、たとえ小説家であっても取材をびっちりしている、事実に基づいて描かれている、というタイプが好きなのである。
以前は一応ベストセラーになった小説を読んではいた。しかし、私が読んだ『永遠の仔』『模倣犯』『テロリストのパラソル』『OUT』『天国の階段』…どれもこれも「つまんねぇー!」と思えるものばかりだったので、ベストセラーというもの自体を信用しなくなってしまった。
それより、どうしてミステリーってさ、あんなに「偶然」が多いのかな。偶然見た、偶然通りかかった、偶然昔の知り合いだった…。ご都合主義と言うしかない。
それ以降、ベストセラー本はすべて斉藤美奈子さんに読んでいただいて、私は斉藤美奈子さんの本を読んでその内容を知る、ということにしている。『世界の中心で愛を叫ぶ』も『電車男』も私は読んでいない。でも、とりあえず話についていけるのは、斉藤美奈子さんのお陰である。
おお、そう言えば。夜中にビーケーワンで買った本である。
野村進『日本領サイパン島の一万日』、井沢元彦『仏教・神道・儒教集中講座』、杉山隆男『兵士を追え』、永沢光雄『声をなくして』、日垣隆『何でも買って野郎日誌』、吉田鈴香『アマチュアはイラクに入るな』、上野喜広『被差別の食卓』…等々。それ以外にもたくさん。果たしてこの夏でどれくらい読みきれるものか。
でも今回買った本の中で、きっといちばん役に立つ、いちばん読み込むのは『簡単!おいしい!毎日のおやつ』だというのは確かだ。
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