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2005年6月11日(土)
44.トルコへの苦難の道

 このあいだトルコに行って帰ってきたばかりだと言うのに、用事ができてまた近々行かなければいけないことになった。
 またしても12時間の長旅である。

 ところがっ!
 飛行機のチケットが全然取れないのだ。私はいつもトルコ航空を使っているのだが、7月中旬から8月末まで1枚もない(!)と言われた。
 おそらく団体ツアーが、早い時期に押さえているのだろう。キャンセル料がかかるギリギリまで集客して、人数が揃わなければそのままキャンセルするつもりかと思われる。
 だから、私が予約を入れたときにはあと少ししかチケットが残っていないと言ってたのに、いざ飛行機に乗ってみると空席がたくさんあったりするのだ。
「そういうチケットがキャンセルされるのはいつ頃ですか?」
 アメックスのトラベルサービスに聞いたら、たぶん搭乗日から1ヶ月を切らなきゃキャンセルは出ないだろうと言う。あまりの混みように、アメックスの担当者もびっくりしていた。

 ちなみに、トルコ航空は現在週4便、成田からイスタンブールまで就航。JALとの共同運行である。
 私がなぜトルコ航空にこだわるかと言うと、イスタンブールまで行く直行便がそれしかないからである。ただでさえ飛行機がきらいなのに、何度も上がったり下りたりをするのはイヤだ。
 また、トルコ航空のマイレージカードを持っていて、それがゴールド会員であるため、たとえエコノミークラスのチケットであろうとラウンジが無料で使える。
 さらに、あと1回イスタンブールまで往復すると、なんとビジネスクラスに乗れるだけのマイルが貯まるのである。その期限は今年いっぱい。この夏に行ってマイルを貯めて、10月頃にビジネスクラスでタダで行こうと目論んでいた私。
 セコい理由と言われるかもしれないが、大事なことである。

 あと、トルコ航空はバゲージの重量にわりと寛容だということもある。以前34キロの荷物でも大丈夫だったことがある。もちろんエコノミークラス。
 普通は25キロくらいまでは大目に見てくれるが、それ以上は難しい。30キロの荷物を提げてKLM航空に乗った人が、重量オーバーで2万5千円取られたと言っていた。
 向こうでも生活をしようとすると、どうしても行きの荷物が多くなってしまう。お土産やら洋服やら日用品やら…。なるべく日本と同じ生活環境で過ごしたいと思うし、だから普段使い慣れているものを持っていく。むしろ、そんなもの全部置いてくる、帰りの荷物の方が全然少ないのである。

 そんなこんなでトルコ航空にこだわって、毎日のようにアメックスと連絡を取り合っていたのだが、とうとうあきらめて、泣く泣く高いJALの早割り悟空のチケットを押さえた。これ以上待っていてもキャンセルがあるとは限らない、というのが理由である。
 はっきり言って、「夢のトルコ周遊8泊10日・全食事付き」なんていうパックツアーで行くのと同じくらいのJALの料金である。
 なんか妙に悔しくて悔しくて、パックツアーの人たちがどうか騙されて高い絨毯を買いますように、とつい願ってしまった及川である。

 しかし、なんでいきなりこんな状態になっちゃったかなー。去年の夏まではすんなり取れていたのである。
 今年の冬、それも2月の思いっきりシーズンはずれのときにチケットを取ろうとしたら、どの日も満席で、
「おかしいですねー」
 と、アメックスの担当者と言っていた記憶がある。
 5月のときは、母親とその友達の分まで買わなきゃいけなかったからもっと悲惨で、ほんとにやっとこさ取れたという感じだった。

 そして、今年の夏。
 トルコに行きたいなー、とかねてより思っていた人たちが、イラク戦争やテロで足止めを喰らい、その我慢していたパワーが一気に爆発したのだと思われる。
 って言うか、隣国ではまだまだドンパチが終わっていないんですけど。イラク戦争が終結したのはかたちばっかりで、むしろイラク国内は戦争中よりひどい状態になっている。
 あんまりニュースにはならないけど、実は小規模のテロはトルコ国内でもしょっちゅう起こっているし。
 アメリカが「イラク戦争は終わった」と言ったから安心なのか。ニュースにならない程度のテロだから安全なのか。よくわからないけど、今やサーズのことさえすっかり忘れちゃってる日本人。やっぱり熱しやすく冷めやすい人種なんだなぁ、としみじみ思う。

 私はたまたま休みの都合で、イラク戦争が勃発した次の日にトルコに行くことになったことがあるが、そのときなんて飛行機はガラガラ。乗客はほとんど出稼ぎトルコ人。色とりどりのポロシャツにベージュの綿パン、首には小さなスカーフ、そして肩から提げたポシェット、という出で立ちの典型的パックツアー客は一人も乗っていなかった。
 それよりも、そのときに行くと言ったら、周囲の大半に反対された。
「なぜ、わざわざ戦地に!」
 とまで言う人もいた。
 イスタンブールで大規模なテロがあった翌週にも行ったのだが、そのときにも、
「命は大切にしよう!」
 というメールが届いた。

 無事に帰ってきてから、ものすごーく心配をしたみたいなことを言ってもらったが、向こうの電話番号やメールアドレスを伝えているにも関わらず、実際に「大丈夫?」と連絡をくれたのはキタバヤシさん、あなただけでした。
 そんでもって、今やもう心配さえしてもらえない状態である。まぁ心配してもらわなきゃいけないほど危険な場所に行ってるつもりもないから、いいんだけどね。
 実際今年は、トルコにもわんさか観光客が押し寄せている。でもそれは、むしろいい傾向だとも思える。だって観光で稼いでる国だもの。金持ち日本人がたくさんお金を落としてくれれば、人々の暮らしも潤うからさ。

 それにしても、1年経っただけで人の感覚も変わるもんだ。変わらないのは、トルコ航空の運行数だけである。
 そして、「今月末からちょっとトルコへ」行きたい私は、とんでもなく苦難の道を強いられている。

【追記】
 このDairyを書き終えたすぐ後に、
「1席キャンセルが出ました!」
 とアメックスから電話があった。
 PEXチケットなので、通常の格安航空券より少し高いが、それでもJALよりは安い。
 なんか肩の荷が下りた、という感じだ。飛行機のチケットを取るだけでこんなにも苦労するなんて…。




 
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